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ベラドンナ

猛毒植物、ベラドンナについて

映画や小説の登場人物で、ベラドンナという名前を聞いたことはありませんか?女性の名前によく使われるベラドンナは、小さくて可愛らしい花ですが猛毒をもった植物です。絶対に食べたり触ったりしてはいけませんが、ある中毒症状には効果的であり、さまざまな症状を和らげる薬になるので決して悪者ではありません。ここではそんなベラドンナについて詳しく紹介しています。

中毒症状などを緩和する? 西洋ハシリドコロとは

ベラドンナには、私たち人間だけでなく、動物も命を落とすほどの強力な毒が含まれています。

また誤って口にした場合、気が狂ったように走り回るという変わった症状が表れるのも特徴です。

一見何も良いことがなさそうな植物ですが、実はさまざまな病気や、中毒症状を緩和する力も持っているのです。セイヨウハシリドコロやオオカミナスビなど、変わった別名ももつベラドンナとは一体どんな花なのでしょうか。

ベラドンナは猛毒をもつ植物です

初春に発芽し、鐘形でナスビのような紫色の花を咲かせるのがベラドンナです。西ヨーロッパに自生するナス科の植物であり、どちらかというと日当たりの良い場所よりも湿気の多い日陰を好みます。

ベラドンナと間違えやすい種類に、ユリに似た大きな花を咲かせるベラドンナリリーがありますが、ベラドンナとは全く別の植物です。

ベラドンナの名前は、美しい(ベラ)婦人(ドンナ)というイタリア語が語源となっていますが、ヨーロッパでは"悪魔の草"などと呼ばれ恐れられています。

こんなに愛らしい名前がついているのに、一体なぜでしょうか? それは草全体に、口にすると命に関わるような強力な毒が含まれているためです。

根や根茎が特に毒性が強い

ベラドンナは全草に猛毒を含みますが、なかでも強力なのは根や根茎です。また花が終わった後にできる実も毒性が強いので、絶対に食べてはいけません。

ベラドンナの実は黒くてツヤツヤしており、美味しそうに見えるのでつい手が伸びてしまいますが、誘惑に負けて口に入れてしまったら最後です。

また口にするだけでなく、葉っぱに触れるのも止しましょう。ベラドンナの葉の表面からは、触ると手指がかぶれる油が出ているからです。

もし食べてしまったら……

ベラドンナの根や実を誤って食べてしまうと、さまざまな中毒症状が起こります。

代表的なのは瞳孔が異常なまでに開く散瞳ですが、ほかにも嘔吐や下痢、呼吸困難や脈拍数の増加といった危険な症状も表れます。

また、まるで麻薬を使用したかのように、幻覚が見えてそこら中を走り回るという、本人だけでなく周囲の人もゾッとするような症状が出ることもあります。

用法と用量を守れば薬になる!

ベラドンナの毒は、人体に有害なだけではありません。用法・用量を守れば薬としてたいへん有用です。

具体例を挙げると、目の検査(眼底検査など)の際に瞳孔を開かせるための点眼薬や、鎮痛作用や鎮痙作用があるため胃腸薬などに利用されています。

また風邪を引いて高い熱が出たときや、喉の炎症を治す薬にもなります。用途がとても広いので、昔より重要な医薬品として使われてきました。

サリン中毒に効く!?

地下鉄サリン事件を覚えているでしょうか? 猛毒の神経ガス・サリンによって、多くの人々が犠牲になった忌まわしい事件です。

サリンは神経を麻痺させて、嘔吐や痙攣、呼吸困難や瞳孔収縮などを引き起こす恐ろしい毒ですが、この治療薬として使われたのは、何とベラドンナの毒です。

ベラドンナにはアトロピンという成分が含まれているのですが、このアトロピンの注射が、症状の一部を(瞳孔収縮など)治めるのに役立ちました。

ギリシャ神話の女神が学名の由来です

ベラドンナには、名前に関するさまざまなエピソードがあります。まず、なぜ毒を持つ植物に、ベラドンナつまり美しい女性という名前がつけられたのか、その理由から説明しましょう。

ベラドンナには先ほども説明した通り、瞳孔を広くする成分が含まれています。そのため美しくなりたいと願った昔の女性が、目をぱっちり大きく見せたいがために、ベラドンナから抽出したエキスを目薬のように目に点していました。残念なことに、そのせいで命を落とす人がたくさんいたのですが、この花の名前はこの出来事が由来となっているのです。

またベラドンナは学名をアトロパベラドンナというのですが、これはギリシャ神話に登場する女神アトロポスにちなんでいます。アトロポスは、人の寿命を司るモイライ三姉妹のうちの長女です。

アトロポスは、三女のクロトが紡ぎ、次女のラケシスが測った運命の糸を、最後に断ち切る役目を持っています。毒性が強く命を奪うベラドンナの学名にこの名前が当てられたのは、命を断ち切るアトロポスが連想されるためなのです。

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